基礎知識2(ワックス)
ソールに続いてワックスの基礎知識についてお話します。
ここでいうワックスは、ホットワックスの事を指しますので、お間違えの無いように・・
液体ワックスや、ペーストワックスについては機会があればやります。
ワックスは何でできているかというと、大きな意味で蝋(ろう)です。原油の蒸留過程で取り出される直鎖状炭化水素が主成分。動植物由来の蝋に替わって広く用いられている。
直鎖状炭化水素・・・鎖状に並んだ炭素と水素・・・えっ!?
そうです。ポリエチレンです。つまりソールと同じ材質で出来ています。
何が違うかというと、鎖の長さ。つまり分子量が違います。
ポリエチレンは、鎖が長いほど硬く、短いほど柔らかくなる性質があるようです。
分子量が違うとはいえ同じ成分なので、相性が良くソールに染み込むのです。
ワックスにはいろいろ種類があって、
ポリエチレンだけで出来ているものをパラフィンワックスといいます。
ソール(高密度ポリエチレン)と比較すると分子量が少ないので低密度ポリエチレンです。
軟化点は、100℃以下です。それ以上の高温はあまり必要ではありません。
硬いワックスはアイロン温度を高くしますよね?
それは柔らかいワックスに比べて分子量が大きい(鎖が長い)ので、より硬い(軟化点が高い)性質を有しているからだと考えられます。
でも、100℃を超える必要は無いわけです。
100℃を超えても溶けないワックスは分子量が大きすぎて染み込まないんじゃないですか?もはや低密度ではないかも・・
パラフィンワックスに対して炭化フッ素をパラフィンワックスに化学的に結合させてものをフルオロカーボンワックスといいます。
フルオロという言葉は本来、フッ素と炭素の化合物を指すので、本当はフルオロカーボンパラフィンワックスというべきかもしれません。
フッ素は常温では気体ですが、他のものと結合しやすく結合すると安定します。
フッ素は、猛毒です。アイロンの温度が高すぎてフッ素が気化してしまうと、当たり前ですが呼吸として吸い込んでしまいますので、特にアイロン温度には注意が必要です。ワックスがギリギリ溶ける温度で作業しましょう・・
おっと、長くなりました。他にも種類がありますが・・今回はこの辺で・・