重い人ほど滑走スピードが速いのか?
昨日関東地区のインストラクター、検定員学科検定会がありましたね。。
受験された方。。お疲れ様でした。
結果は後日郵送されますので、お楽しみに。。
僕自身も役員でお手伝いに行っていましたが、検定については置いといて。。
前日には役員のミーティングがあり、段取りなどの確認をするわけですが、
そうなると当然スノーボードの話も出てきます。
そうなると新たなテーマが見えてきます。。
スノーボードって重い人ほど有利(ここではレースの様なスピード競技のこと)って、言われるけど本当?って話。
昔、理科や物理の授業でガリレオの実験で聞いたことがあるかもしれませんが、
ピサの斜塔での落下実験。。重さによる落下速度は変わらない。。って話。。
事実、空気抵抗を考えなければ、物体の重力加速度は一定[9.8m/s^2]で時間に従うので、
速度 = 重力加速度 × 時間
で表せます
つまり、1秒間に9.8mずつ加速していきます。これは物体の重さに関係ないので、どんな物体でも同じです。
前の公式に重さを表す項目が無いですからね。。
でも実際は空気抵抗はあるし、体重が重い方が。。。なんて言われるわけですから実際はどうなのか考察。。
これが斜面上に掛かる力になります。
これは力を表しているので、長い方が力が強いことを意味します。
物体mは重力加速度gの力を受けてmgの力を持っています
それを斜面に対して垂直と水平に分解すると、図のようにmgcosθとmgsinθに分かれます。
斜面成分はmgsinθなので物体が重い方が大きくなり、力としては大きくなります。
物体を動かすためにはmgsinθ以上の力が必要で、これが最大摩擦力となります
でもこれは力が強いだけで、速いことは意味しません。
力が強いということは、それに反して抵抗もあるので、力が強いから速く動くという証明にはなりません。
動くためには抵抗という反作用に打ち勝つ必要があります
物体が軽ければ、反作用も小さいので
仮に平らな状態で止まっている重さの違う二つの物体に対して、徐々に斜度がついていったら、どうなるか?
軽い方が先に緩い斜面で動き始めます。
これは摩擦力であるmgsinθを上回ったからとなりますが、実際は雪面の抵抗はかなり弱いので物体の重さで大きな差にはならないと思います。
っていうかそもそもその値はかなり小さいと思います。雪面は良く滑るし。。
上記訂正します。
静止摩擦係数が一定なら、重さに関係なく、同じ角度で動き始めます
じゃあ同じじゃん?
重くても速く滑れないんじゃないの?と思いますが
他の要素としては空気抵抗を考えます。
速く動くものにはそれなりの空気抵抗が掛かります
そして、空気抵抗が大きくなり、それ以上加速できない速さというものが存在します
つまり、加速していって限界がくると、それ以上加速せずに等速で動き始めます
つまりその速度は、物体の加速させる力と同等の空気抵抗の力を与えていることになります
斜面を加速させる力 = 加速を妨げる力
つまりこの時、最高速度となります。(物理的には最終速度というみたいです)
自由落下の力は、物体の質量m × 重力加速度9.8m/s^2
その時の抵抗力は、物体の速度 × 空気抵抗率
これがイコールなので、
物体の質量 × 重力加速度 = 物体の速度 × 空気抵抗率
となります。
移項すると、
物体の速度 = 物体の質量 × 重力加速度 ÷ 空気抵抗率
なので、物体の質量が大きいほど、物体の最終速度は大きいとなります。
つまり、重いほど最高速度が速いことを表します。
つまり最高速度が速いってことは、スピードが速いってことにもなりますよね。。
雪上なら摩擦が少ないため最高速度に達する時間も短いですし、
ある程度の直線距離があれば、その差は大きなものになると思います。
これなら、物理的に納得できる解答のような気がします
っていう理論が合ってると良いなぁ〜
大丈夫。。多分合ってるはず。。
でも、あえて太ってまでスノーボードをする必要はありません。。
これは直線しか考えてませんし。。
あっ、最後の計算は自由落下の運動で計算してますが、斜面成分で考えても基本的には同じです。